さくっと分かる。ビジョナリー・カンパニー前編

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「名著と呼ばれる本の内容をさくっと理解したいなあ。」

そのように考えて早3年。

しかしいくら待ってみても自分なりに理解が出来る書評は出てきませんでした。

 

そこで今回自分なりに名著と呼ばれる本を、大きく噛み砕きながら自分なりの解釈も加え書き記してみることにしました。

本日は、ビジョナリーカンパニーという本についてです。

 

ビジョナリーカンパニーとは

 

ビジョナリーカンパニーとはなんだろうか。

ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先験的な企業であり

業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世間に与え続けてきた企業である。 *0

 

このことがビジョナリー・カンパニーの定義になります。

逆にいうと業界2位に甘んじている企業や業績にムラがある企業はビジョナリー・カンパニーではありません。

この本ではそれらの企業を銀メダルや銅メダルの企業として扱いビジョナリーカンパニーとの比較として用いています。

 

ビジョナリーカンパニーの10大原則(自分なりに翻訳)

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ビジョナリーカンパニーとは何かについてわかったところで本題に入りたいと思います。

ビジョナリー・カンパニーを作るためには何をすれば良いのかということです。

 

1 天才の力に頼らず、天才的な成果を上げる組織を作る

 時を告げるのではなく、時計をつくる。*1

 

原著ではこのように表現されている内容です。

経営の天才によるソロプレーは一時的には大きな成果を出してくれます。

経営の天才とは、素晴らしいアイディアでカリスマ性を持つ指導者のことです。

しかしビジョナリー・カンパニーを作りたいのであればこのような天才は必要とされません。

経営の天才がいなくなったらその組織は成果を出せなくなるからです。

 

代わりにビジョナリー・カンパニーを作るために必要とされている天才とは、

「きちんとした成果を出し続けることのできる組織の仕組みを作ることの出来る天才」

です。

このような人物がいれば、その人物が組織を去った後でも企業の力は衰えません。

 

最後に誤解を招きそうな部分の補足です。

 

ビジョナリー・カンパニーの経営者は凡庸な経営者がほとんどいない。

ならば優秀な経営者がいることがビジョナリー・カンパニーの条件と言えるのではないかということについてです。

 

確かにビジョナリーカンパニーには優れた経営者は沢山います。

しかしその経営者たちは、ソロプレーには走らなかった。

きちんとした組織の文化をつくりそれに則って経営をしていたということです。

 

そして2代目以降の経営陣は、優秀な人材をつくる自社からの叩き上げが多いため

結果として常に優秀な経営者が常にいるように見える。

 

つまり組織が整っているからこそ、常に優秀な経営陣を作ることが出来るということです。

このことが外からみると、常に優秀な人材がビジョナリーカンパニーを作っているという誤解を生み出すのです。

 

2 利益を超えて

収益力は会社が存続するために必要な条件であり、最も重要な目的を達成するための手段だが

多くのビジョナリーカンパニーにとってそれ自体が目的ではない。

利益とは人間の体にとっての酸素や食料や水や血液のようなものだ。

人生の目的ではないがそれがなければ生きられない。             *2

 

上記のことをわかりやすく言い換えるのであれば

「利益を出すことと、基本理念を固守すること両方を行うことがビジョナリー・カンパニーに共通する特徴である」

となります。

 

初めに基本理念について説明します。

ビジョナリー・カンパニーに取って基本理念は、組織の土台になっている基本的な方針であり、

「われわれが何者で、なんの為に存在し、何をやっているのかを示すものである」。    *3

 

そして、ビジョナリー・カンパニーの基本理念には共通項があります。

・株主の富を最大限に高めることや利益を最大限に高めることを第一に考えていない点。

・創業以来から基本理念を固守していること。

・基本的に自分たちの理念を世間に宣言しているということ

・理念内容はバラバラだが、どこも基本理念に則った行動を重要視していること

・基本理念を文章の形にしていること。基本理念を強く意識していること。

 

ビジョナリー・カンパニーでは基本理念を本当に大切にしています。

仮に短期的に莫大な利益が出るとしても基本理念に矛盾しているなら手を出さないようにしています。

しかし一方で利益の追求を怠っているわけではありません。

それどころか、他の企業と比べて実際にお金を稼ぐことに成功しています。

 

つまり、

「基本理念に従ったうえでの最大利益を目指す企業」

この企業こそをビジョナリー・カンパニーと呼ぶのです。

 

3 基本理念を維持し、進歩を促す。

 

世界は変化している。この難題に組織が対応するには、

企業として前進しながら(その基礎となる)信念以外の組織を全て変える覚悟で臨まなければならない。

‥‥組織にとっての聖域はその基礎となる経営理念だけと考えるべきである    *4

 

ビジョナリーカンパニーは変化を好みます。実際に基本理念以外のことはどんどん変化をさせていきます。

「基本理念を維持しながら進歩を促す」

ビジョナリーカンパニーはこのような特徴を兼ね備えているのです。

 

そして変化を促す為の仕組みづくりをビジョナリーカンパニーは必ず持っています。

企業が意図を持つことは、とても良いことだ。

しかし、その意図を具体的な行動に移せるかどうか、アメとムチを組み合わせた仕組みを作れるかどうかが、

ビジョナリー・カンパニーになれるか、永遠になれないままで終わるのかの分かれ道になる。   *5

 

例えば

デズニーでは、全ての従業員にデズニーの伝統を学ばせる仕組みがあることや

ヒューレットパッカートでは、HPウェイという評価基準があることが挙げられています。

 

もしビジョナリーカンパニーを作りたいのであれば

「基本理念を維持する仕組み」

「進歩を促す具体的な仕組み」

このふたつの仕組みをきちんと作ることが大切なのです。

 

4 社運をかけた大胆な目標

BHAGは極めて大胆であり、理性的に考えれば、「とてもまともとは言えない」

というのが賢明な意見になるが、その一方で「それでもやって出来ないことはない」

と主張する意欲的な意見が出てくる灰色の領域に入るものである。

BHAGは単なる目標ではない。社運を賭けた大胆な目標なのだ。   *7

 

ビジョナリーカンパニーは、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)を所有します。

BHAGを日本語訳するのであれば、大胆な到達目標となります。

そしてその目標は、万人にとって受け入れやすい心躍るものでなければいけません。

 

ここでは、具体例を書き記します。

GE(ゼネラル・エレクトリックス)という企業があります。

(アメリカの株式市場が出来てから今まで続いている唯一の企業です。)

 

この企業のBHAGは

「参入した全ての市場でナンバーワンかナンバー2になること」

「小さな企業のような機敏さを持つ企業にする」

の2つになります。

 

この2つの大胆な目標をGEでは掲げています。

 

ところで、基本理念と違い、BHAGは時代とともに変える必要があります。

また、必ず基本理念に反しない形にしなければいけません。

 

例えるなら日本の憲法と法律のような関係をイメージしていただくと良いかもしれません。

(一応憲法は改正できますが、今まで改正されたことはありません。)

 

5 カルトのような文化

先見性とはやさしさではなく、自由奔放を許すことでもなかった。事実は全く逆であった。

ビジョナリーカンパニーは自分たちの性格、存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので

自社の厳しい基準に合わない社員や合わせようとしない社員が働ける余地は少なくなる傾向になる。 *8

 

ビジョナリーカンパニーは次の4つの手法で基本理念の強化を図っています。

1 理念を熱狂的に守ること

2 理念を社員に刷り込ませるための教育

3 社員の同質化を図ること。地理的にも。言語的にも。文化的にも

4 エリート主義。自分たちは優れているのだという誇りを持たせること。

 

そして、ビジョナリー・カンパニーでは自分たちの方針にそぐわない人物は徹底的に排除します。

組織の核になる基本理念を守るためにです。

その意味でビジョナリー・カンパニーの離職率は同業他社と比べても大きくなる傾向があります。

 

ビジョナリーカンパニーを外からみるとまるでカルト宗教のように見えます。

実際に基本理念を浸透させる手法に関してはカルト宗教とほとんど同じです。

カルト宗教とビジョナリー・カンパニーの違いは、

実質的には教主を崇めている点と基本理念を崇めている点しか違いません。

 

まとめ

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本日の内容をもう一度まとめてみます。

 

1 業績を出し続けることの出来る組織づくりがビジョナリー・カンパニーの作り方である。

2 基本理念の中野最大利益を目指す。

3 基本理念以外は、時代に合わせ大きく変化させる。

4 大きな心が奮い立つようなわかりやすい目標を掲げる

5 基本理念に忠実な人間を作り出し、その人間のみで組織を構成する。

 

残りの5つの原則は、後編で紹介させて頂きます。

宜しければ、そちらもご一見ください。

 

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